【危険なラジウム】時計の文字盤を描く作業が原因で被爆死!

アメリカで1920年代前後にラジウムが原因で多くの死亡事故が起きました。
ラジウムを含んだ夜光塗料を時計の針や文字に描いていた労働者が、多数被爆したのです。
被爆した彼女らはラジウム・ガールズと呼ばれ、またゴーストガールズとも言われていました。

Daily Herald Archive/SSPL/Getty Images

 

時計の針の部分には夜の暗闇でも見えるように夜光塗料が塗られているものがありますが、その当時には夜光塗料にラジウムが含まれていて、そこから放射線が放出されていました。針や文字の部分が光るラジウム時計です。
その光るラジウムの夜光塗料を針や文字に描いていた労働者が多数被爆したのです。

賃金は3倍、魅力的な労働、隠されたリスク

当時のアメリカは戦争が始まった頃でした。
働く女性は増え、人気の仕事は時計の文字盤塗装工でした。賃金がとてもよかったからです。
仕事の内容は、家庭用の時計や兵隊の使用する腕時計の針や文字に夜光塗料を塗る仕事です。
仕事についた彼女らの多くは10代から20代の若い女性でした。

ラジウムを扱う工場の管理者はラジウムの危険性を十分には認識していませんでしたが、未知の危険性は気づいていたようで、暴露や接触は慎重に避けていました。

しかし実際に危険な作業にあたる従業員には恐れる必要はないと説明していました。危険ではないと断言していました。
その根拠のひとつには、当時の社会常識として、微量のラジウムは健康によいとされていたからでした。

驚くことにラジウムは健康グッズとした販売されていました。ラジウム水やラジウム入り歯磨き粉。ラジウム入りのパンやチョコも売られていたのです。

しかし情報があいまいな当時としても、放射線の未知の危険は多くの大衆もうすうす感じていたようで、企業はそれを払拭するために微量のラジウムは健康に良いと発表しました。

ラジウムは健康に良いと発表したのは、ラジウムで莫大な利益を得ている企業でした。
その一連の企業が実施した独自の研究にもとづき発表された都合の良いラジウムの情報は、ラジウムの一面的な効能ばかりを過大に宣伝したもので、致命的な害を及ぼす未知の危険性は意図的に無視された危険な研究内容の発表でした。

その誤った情報が社会的通念として世の中に大々的に受け入れられていたのです。
情報にまどわされた大衆は、ラジウムは本気で健康に良いものだと信じていたようです。







発症し始める犠牲者たち

工場での彼女たちは、とても小さな文字盤に筆入れする作業なので、繊細な筆さばきが必要になります。

彼女らはみな筆の先を唇の先や舌を使って調整しては尖らせ、文字を描いたり針に夜光塗料をぬったりします。

そのたびに塗料の中のラジウムを摂取することになるのです。
のちに舌ガンや顎のまわりのガンを多く発症することになります。

また彼女らは“ ゴーストガールズ”とも言われていました。
仕事が終わり彼女らが夕闇に現れると、仕事中に全身についたラジウムが暗闇で光って見えたからです。
まるでゴースト(幽霊)のように光る彼女らは、それを恐ろしい光だとも知らずに無邪気に笑っていたのでした。

ラジウムの危険性も知らず、冗談好きな彼女らは自分の歯に塗料をぬって、暗闇の中で光るラジウムの歯を見せて喜んだいたとも伝えられています。

広がる犠牲者

ラジウム被害、最初の犠牲者はモリーでした。
歯が痛み始めたので歯科で治療してもらうと化膿してすぐ次の歯が痛み始めました。筆先から摂取したラジウムが歯茎を犯していたのです。 そして痛みは手足にも広がり、しだいに痛くて歩けなくなりました。

医者はリウマチを疑いアスピリンを使用しますが放射線が原因なので効果はなく、異常の原因が特定できません。

膿瘍は顎や頬にも広がり感染症を起こし、最後には頸静脈を損傷して出血が止まらず亡くなってしまいました。

医者は根本的な原因を特定出来ず、診断書には梅毒で死亡と書きました。
医師は病名がわからないので全身症状のいくつかの類似点を推測して勝手に梅毒と診断したのです。
当時は梅毒末期の全身症状で亡くなる方が少なくなく、医療水準も現在とは比較にならないほど低いものでした。

モリー以外にも同じような症状が同僚たちにも広がっていきました。

ラジウムは皮膚に付着しても有害ですが、体内に摂取された場合、わずかな量でも損傷は何千倍にも膨らみます。
体に取り込まれたラジウムは絶えず放射線を発しつづけるので細胞は損傷し、骨髄はダメージを受け、骨は密度を失って簡単に骨折してしまいます。

モリーと同じ症状に苦しめられ始めた彼女たちは弁護士を立てて会社を訴えようとしますが、弁護士がなかなか見つかりませんでした。誰もラジウムガールの弁護にはつこうとしないのでした。
すでにその頃ではラジウム会社の圧力が裏で働いていたのです。
それに当時は放射能障害は保証可能な病気ではありませんでした。裁判は労働者側にとても不利な状況だったのです。

しかしラジウムの被害は時が経つごとに広がりをみせ、新聞もこの事件をとりあげはじめると、世論も騒ぎはじめました(新聞は死にゆく女工達と報道した)。そうして世論も手伝い、はじめて弁護士も正式につくことが出来、法廷での戦いが始まりました。

会社側はラジウムの被害を否定します。証拠にモリーの梅毒の診断書を提出して、医者が証明した死因の梅毒をあげてラジウムとの関連を全面否定しました。

イリノイ州のラジウムガールが明らかなラジウムによる障害で死亡したときは、検死解剖が必要だったのですが、会社側が手を回して検死解剖を妨害しました。死亡原因を解明されると裁判で敗訴確定だったからです。
そして信じられないことに企業側は、被害者のラジウムが含まれた遺体の骨を証拠隠滅のために墓場から盗んだりもしたのです。

ラジウムガールの死

ラジウム被害の裁判で勝利を収めたキャサリンの死。見守る仲間のラジウムガール達。

ラジウムガールの一人、キャサリンはガンに冒されながらも法廷で弁護士と戦いつづけ途中で死亡してしまいますが、最後には法廷で勝利を収めます。
ラジウムが原因で体の障害が起こり死亡したと裁判で認められたのです。
ラジウムを含む放射線や放射能は体に実害を及ぼす危険なものと正式に認められた判決でした。




この一連のラジウムに関連する裁判は、従業員が会社を訴えて勝利し、労働者の権利を確立させた最初の事例となりました。それは労働法史上初めての出来事でした。

ここから現在の労働者の安全と権利が重要とされる社会的な基盤が構築されるようになったのです。

ラジウムガールの墓に測定をかざせば、現在でも放射線が測定される

ラジウムの半減期は1600年、ラジウムガールの墓に測定機をかざせば、現在でも放射線が測定される

─ 現在でも女工の墓に測定器をかざせば放射線が検出されるだろう ─

現在でも時計に使われてる夜光塗料は危険なのか?
※(補足追記)IAEA国際原子力機関は1967年に時計にラジウムを使うことを禁止する通達を出しました。
ロレックスなどは1958年にラジウムから徐々にトリチウムに移行して1961年にラジウムの使用を全面禁止しました。(↓下記画像)1930年台に作られたこの腕時計は現在でもラジウムの光を放っている。
ラジウムの半減期は約1800年。
このラジウム腕時計は恐ろしいことに39世紀の未来でも秒針を光らせているのだろう。

光を放つラジウム時計

1930年台に作られたこの腕時計は恐ろしいことに現在でもラジウムの光を放っている。

■ 現在でも時計に使われてる夜光塗料は危険なのか?

1993年ころに新しい夜光材が開発されて1990年代後半には時計の文字盤に、放射性物質を使用する事が禁止されたようです。

現在はアルミン酸ストロンチウムが使用されて安全だといわれています。
非常出口のサインや看板など、いろいろな場所や物に使われているアルミン酸ストロンチウム。

 

 

 

1993年開発され、夜光顔料の歴史を大きく塗り替えたとされるN夜光(ルミノーバ)

参照:wiki “Radium Girls

ラジウムの放射線その危険性と概要


ラジウムは崩壊途中でアルファ線を放出する。その後の娘核種の崩壊でベータ線やガンマ線なども放出する。

人体が各放射線にさらされることを被曝と言う。
被曝は放射線を外部から浴びる外部被曝と、体内に放射性物質を取り込んだことによる内部被曝とに分類される。

放射線は生物にとって有害であり、放射線を浴びた線量によって何らかの障害や放射線障害と言われるものが現れる。

人体への影響


細胞内において放射線の直接または間接的に作用が及ばされた場合、問題になるのがDNA鎖の切断である。

放射線の影響において、DNAのポリヌクレオチドの単鎖切断であれば酵素のはたらきによりもう一方のDNA鎖を雛形として正確な修復が可能ではある。

しかし二本鎖切断の場合は修復不能の場合があり、かりに修復出来たとしても誤りを起こす場合が多く、それがガンなどのや突然変異や細胞死の原因となったりする。

『東海村JCO臨界事故』


また放射線を一度に多量に浴びた場合、ただちに放射線障害が現れる。

『東海村JCO臨界事故』で起きた作業員の被爆時など(中性子)は一度に多量に被爆して皮膚はヤケドを負った状態を示し、皮膚は染色体破壊により核型が完全に壊れ、新しい細胞が生成できない状態となった。

東海村臨界事故被曝者の皮膚状態
(※クリックするとモザイクが外れます)


作業員には造血幹細胞の移植が行われて手術は成功し、一時的に白血球の増加も見られたが白血球は減少に転じ、結果的には多臓器不全を起こして死亡した例がある。

東海村臨界事故 Tokaimura Nuclear Accident







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